新築マンション内覧会のチェック範囲(専有部・共用部)

新築マンション内覧会のチェック範囲

新築マンションを契約して完成日が近くなれば、売主や販売代理会社から買主へ内覧会の日程に関してお知らせが届きます(電話連絡の場合もあるが書面が送付されることが多い)。このお知らせを見たときから、買主は内覧会で何をすべきなのだろうかと疑問や不安を持ち、インターネットなどで調べ出す人が多いです。

そういった、これから初めて新築マンションの内覧会を迎える人が内覧会を終えた後に後悔しないように、内覧会でチェックできる範囲を紹介します。なお、具体的なチェックポイントを知りたい人は、「内覧会のチェックマニュアル・チェックポイント」を参照してください。

内覧会では、建物の施工精度をチェックする(不具合等が無いか確認する)ことが、主な目的の1つです。そのチェック対象となる範囲について誤解している人もいるので、ここで対象となる範囲を理解しておきましょう。

マンションは、一般的に以下の3つの範囲に分けて考えることができます。

  • 専有部分
  • 専用使用できる共用部分
  • 共用部分

このうち、専用使用できる共用部分は3つめの共用部分の一部ではありますが、ここではわけて記載しております。以降のチェック範囲の説明は、この3つの範囲に分けて解説しております。

1.専有部分(室内)のチェック範囲

最初に解説するのは、専有部分です。マンションの専有部分とは、1つ1つの住戸のうち共用部分を除く部分です。これだけではわかりづらいですね。

具体的には、玄関や廊下、リビング、居室(洋室・和室など)、浴室、洗面室、トイレ、収納(室内にあるもの)などです。住戸内の部屋を間にある間仕切壁や扉・建具なども専有部分になります。

この専有部分は、その住戸の買主のみが所有するものになりますから、その全てが内覧会におけるチェック対象となるものです。隅々まできちんとチェックして、不具合等があれば売主(または建築会社)へ指摘して補修してもらいましょう。

専用使用できる共用部分のチェック範囲

2.専用使用できる共用部分のチェック範囲

次に共用部です。共用部のなかでも、各住戸の区分所有者(つまりその住戸の買主)が専用使用できるスペースがあり、これをここでは専用使用できる共用部分と記載しております。

その住戸の買主(もしくは居住者)のみが使用できる共用部分ということですが、具体的には玄関ポーチやバルコニーなどが該当します。玄関ポーチやバルコニーを専有部分だと誤解している人がおりますが、実は共用部なのです。また、玄関扉や窓ガラスもそうですし、1階住戸の人ならば専用庭もそうです。

ただ、他人が自分の住戸のバルコニーに自由に立入りして良いということになれば、防犯・プライバシー・利便性などの面であまりに大きな問題が生じるので、専用使用という形にする必要があるのですね。それならば、専有部分にすればよいと考えるかもしれませんが、バルコニーは避難経路という非常に大事な役割があるので、共用部としておく方が実態にあいます。非常時には他人が使用することもあるのです。

この専用使用できる共用部分は、自分だけの所有物ではないために内覧会で不具合等を勝手に指摘してよいかという疑問を持つ人もいます。確かに自分だけの所有ではないものの、実態としては内覧会で不具合などが見つかれば指摘して補修してもらうものですから、所有関係はそれほど気にせずに指摘してよいでしょう。

3.共用部分は区分所有者(住戸の購入者)が単独でチェックできるか

最後に共用部分です。ここでは、専用使用できる共用部分を除いたスペースについて紹介します。

共用部分は、建物のエントランスや共用廊下、共用階段、屋上、外壁、基礎、管理事務室、倉庫、電気設備室、駐車場・駐輪場など様々なものがあります。敷地(庭・外構など)もそうですね。

これら共用部分は、原則として区分所有者が単独で不具合等の補修を求めることは避けたいものです。確認された事象に対して、全ての人が全く同じ見解・考えを持つとは限りません。補修すべきと判断するか、また補修方法をどうするのかといったことを区分所有者が他の人の分まで勝手に判断して売主や建築会社と交渉してしまうことは、後のリスクとなる可能性があります。

入居後、管理組合が構成・運営されたときに、勝手な判断で動いたことを問題視する事例があり、新築当時から管理組合や他の住民との関係が良くないものになることが心配です。

共用部分については、売主側に判断してもらうか、入居後の管理組合で問題提起して対応していくか、事象ごとに検討する必要があるでしょう。

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