売買契約から内覧会・引渡しの流れ

内覧会立会い

新築一戸建てまたは新築マンションを購入した場合、売買契約を結んでから入居するまでの流れがどのようになっているか、一般的によく見られるケースを紹介します。

売買契約時点において、対象の建物が完成しているか、もしくは未完成であるかによって流れが多少異なる点もあるため、これについても以下のなかで解説しています。

<売買契約~内覧会~入居の流れ>

  1. 売買契約の締結と手付金の支払い
  2. 住宅ローンの申し込み
  3. 建物完成
  4. 内覧会(完成検査)
  5. 建築会社による補修工事(手直し工事)
  6. 再内覧会(確認会)
  7. 住宅ローンの契約(金銭消費貸借契約)
  8. 引渡し
  9. 入居

上を見れば、契約以降の流れは概ね理解できるのではないでしょうか。

これをより深く理解するため、それぞれの項目について補足説明や注意点を紹介しますので、以下も合わせて読んでおいてください。

1.売買契約の締結と手付金の支払い

新築の建売住宅でもマンションでも売買契約の締結と同時に手付金を支払う必要があります。手付金の金額は売主と買主が相談して決めることになりますが、売買代金の10%までとするケースが多いです。

売買契約の前には必ず重要事項説明が実施されますが、これは対象物件に関する大事なことを説明してもらう機会ですから、しっかり聞くようにし、わからない点は恥ずかしがらずに質問してください。

2.住宅ローンの申し込み

売買契約を締結した後は、住宅ローンの申し込みを行います。多くの場合、売買契約の前段階で金融機関(銀行など)に対してローンの事前審査を行いますが、この事前審査をした金融機関だけにとらわれず、別の金融機関に申し込みしても構いません。

売買契約を締結した日のうちに申込書を記入して金融機関に提出することもありますし、後日に提出することもあります。

売買契約の時点で建物が完成している場合は、住宅ローンの申し込みまでゆっくり日をとる余裕はありませんので、契約後、速やかに行動に移さねばなりませんが、建物が未完成である場合は完成時期に合わせて申し込みすればよいです。

但し、住宅ローン特約の期日には注意し、期日に間に合うように申し込み手続きをしてください。

3.建物完成

未完成の住宅を購入したのであれば、建物完成を待つことになります。必ず、完成予定日については売買契約書の際に契約書のなかで確認してください。口頭による説明のみを受けているケースでは、完成が遅れたときに売主と買主が揉めても売主が本来負うべきもの(違約金など)を買主から求められないときもあるからです。

4.内覧会(完成検査)

建物が完成した後はいよいよ内覧会です。完成物件を契約した人は、契約してから早い段階で内覧会へ進みますが、未完成物件を契約した人は、完成まで数カ月も待つということも多いですね。分譲マンションを買った人ならば、契約から内覧会まで1年以上ということも多いでしょう。

内覧会は完成検査または竣工検査とも言われるものであり、買主が施工不具合などの有無をチェックする大事な機会ですから時間を割いてじっくり確認してください。

安心するため一級建築士に立会ってもらうなら「建築士による内覧会立会い・同行」をご覧ください。

5.建築会社による補修工事(手直し工事)

内覧会で買主が見つけて指摘した事項について、建築会社が補修工事を実施します。この工事のことを手直し工事ということが多く、売主から買主へ渡される購入から入居までの流れを説明する書類にも、そう書かれていることがよくあります。

この手直し工事は、指摘した事項の数や工事内容、さらには建築会社の職人手配の都合などによって、所要日数は異なるものですが、一般的には1日から1週間で終えられます。

しかし、新築マンションの場合、建築会社が手直し工事の実施時期を予め決めていることもあり、内覧会の後すぐに取り掛からないこともあります。買主としては、手直し工事がいつまでに完了するのか、内覧会を終えた時点で聞いておくとよいでしょう。

6.再内覧会(確認会)

手直し工事の完了後には、再び買主が現地へ赴いて補修状況を確認する機会があるはずです。これを再内覧会や確認会などと呼ぶことが多いです。

再内覧会では、指摘した箇所がきちんと補修されているか確認することはもちろんですが、補修のために出入りした業者が新たに付けてしまった傷や汚れがないかも確認しておきましょう。内覧会から引き渡しまでのスケジュールにゆとりがない現場では、慌ただしく補修等を行うために追加の指摘が出ることも少なくありません。

また、建売住宅では、内覧会や再内覧会といった機会を売主側から積極的に案内してこないケースもあるため、案内がなければ買主から聞くようにしてください。ここで遠慮すべきではありません。

7.住宅ローンの契約(金銭消費貸借契約)

住宅ローンの申し込みをした後、その審査に合格すれば、引渡し前に住宅ローンの契約を金融機関と締結します。この契約を金銭消費貸借契約と言います。

この契約は、内覧会や再内覧会と順序が前後することも多いですから、売主からの案内で確認してください。

自己資金を増やして借入金額を減額するときは、契約日よりも前(できる限り早め)に申し出ておく必要がありますから注意してください。契約当時に減額を申し出ても書類の準備が間に合わず、契約日を変更せざるを得なくなり、関係者に迷惑をかけてしまうことになるからです。

8.引渡し

再内覧会も住宅ローンの契約も終えれば、引渡しです。売買契約書で定めていた引渡し日に実行することになりますが、実際には売主と買主の間で日程調整して引渡し日を契約書に記載の日から変更することも多いです。特に前倒しすることが多いです。

引渡し日には、住宅ローンの借り入れをしてその金銭を売主へ支払う(残代金の決済)ことになります。

9.入居

引渡しを実行した後は、買主の好きなタイミングで引越しすることが可能ですが、マンションの場合は、同日に引越しが集中するとエレベーターやその他の共用部の使用に関して無理が出てしまうため、売主や販売会社が主導して引越し日(入居日)を調整することが多いです。

一戸建ての場合は、比較的、自由に引越しできるでしょう。

以上、売買契約から内覧会、引渡し、入居までの流れです。全体の流れをイメージできたでしょうか。ここで記載している流れと異なる案内が売主や販売会社からあったならば、その理由も質問しておくとよいでしょう。

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